地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

テルでテルテル。そして、ぬくもり



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:テルでテルテル。そして、ぬくもり
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 テルする前に、晴美さんと宍道湖に行く前の琉花の不安そうな顔が浮かんだ。当たり前だ。その時は、僕のこころが浮ついていたからだ。でも、今、はっきりと分かった。間違いなく”愛してる”のは琉花であり、それは晴美さんとは全く異なる感情だった。今回、晴美さんと宍道湖に行ったことで、自分自身でそれが明らかとなった。琉花にはそのことをはっきりと伝えなければならない。そう感じていた。
 プルルルル×2

琉花:「カツオくん。どうだった宍道湖。よかった?」

 コール2回した後、琉花の声が聞こえた。

「よかったよ。日本シジミ研究所ってところに行った。そこで、本買ってきた。シジミ学入門。なかなかいいことが書いてあった。しじみは、「うまい」、「体に良い」、「安心・安全」、「料理が簡単」らしいよ1)。
ところで、琉花。今日の夜、晴美さんが買ってきたしじみで料理をしてくれることになってるんだ。琉花と僕とで3人で食べよう、って計画。琉花は、大丈夫?」

琉花:「もちろん。夜なら大丈夫。晴美の料理、すごくおいしいんだ。うれしい…。で、何時からかな?」

「晴美さんのアパートで6時半ごろから。
まだ時間があるから、それまで琉花のアパートに寄っていい? 琉花に逢いたい」

琉花:「うん、分かった。5時ごろなら帰れるから、その時間以降に来てくれるかな。カツオくん」

「分かった。琉花…、
なあに?
愛しテル…。
えへっ、わたしも…。カツオくん…♡」

「じゃあ、あとで」

「うん♡」

 テルでテルテルした。もはやグレイな気分はなかった。僕の琉花に対する愛は、ホワイトだ。いや、Black Diamondかもしれない。今すぐ琉花を抱きしめたかった。そのぬくもり(図)を感じたかった。



図 ぬくもり2)

1) 中村幹雄: シジミ学入門. 日本シジミ研究所. 2018.
2) https://www.pinterest.jp/pin/661607001493218728/

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