題名:空飛ぶ自動車の実現化に向けて
報告者:ログ
古くから様々な映画に空飛ぶ自動車が登場する。筆者にとってその最たるイメージのものは、シド・ミード氏のデザインによる映画「ブレードランナー」のスピナーである。そのスピナーは、タイヤが横になりながら、車体の下から何やらを噴射して、重力か? を操作して、推進力となり、空を飛ぶ仕組みとなっている。そのため、飛ぶためのいわゆる羽はない。近年では、空飛ぶ自動車の実現化に向けて、様々なデザインがネット上にアップされ、日本でも空飛ぶ自動車のプロジェクトが進行している1)。それはそれで実に楽しみである。しかしながら、羽があると、どうしても空飛ぶ自動車というよりも、単なる自動車型の飛行機のような感じがして、若干がっかりしてしまうのは、筆者だけではないであろう。やはり映画で見るようにタイヤを横にしてながら、空中に垂直に揚がり、ある程度の高さで、そのままスッと前に進むのが、空飛ぶ自動車として「かっこいい」。映画「ブレードランナー」のスピナーしかり、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」のデロリアンしかりである。個人的には、そのシド・ミード氏に影響を受けたデザイナーで、ジョシュ・バレー氏による自動車のデザインの中で、これは「かっこいい」と思えるものがあり、そのようなデザインの車が、先ほど示した感じで空飛ぶ自動車になれば、自動車の未来はとても明るいであろう。その車のデザインを図に示す。これが公道を走るだけでも、「かっこいい」が、これが空を飛ぶ自動車として進化すると、「とてつもなく、かっこいい」に違いない。
図 ジョシュ・バレー氏による自動車のデザイン2)
実はシド・ミード氏やジョシュ・バレー氏だけでなく、日本人にも車のデザインで優れた方がいる。かのピニンファリーナ(フェラーリに代表される自動車のデザイン、および、エンジニアリングを担当する企業3))に在籍し、当時フェラーリの会長であったルカ・ディ・モンテゼーモロ氏にOKを出させた、奥山清行氏である。氏の著書4)でもそのデザインの一端を垣間見ることができるが、それ以上に、製品の要となるデザインで人を納得させることは、並大抵の感性では難しいことがその書でよく分かる4)。もちろん氏のそこまでに至る努力もあるが、やはりほとばしる情熱が、デザインにも乗り移るのであろう。フェラーリの創業55周年を記念したスーパーカーのエンツォフェラーリは、氏によるデザインであることは、つとに有名である。
一方、羽やプロペラなしには、現状では空を飛ぶ揚力が得られにくいのも事実である。反重力装置(この記事も参考していただければと思う)でも開発されれば、別であろうが、その技術開発までにはまだ遠い。
1) http://cartivator.com/ (閲覧2016.2.26)
2) http://3dnutta.deviantart.com/art/Concept-Car-Syd-Mead-Comp-172899311 (閲覧2016.2.26)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/ピニンファリーナ (閲覧2016.2.26)
4) 奥山清行: 人生を決めた15分 創造の1/10000. 武田ランダムハウスジャパン. 2008.
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