題名:(いいよねー…いったりー)
報告者:ダレナン
本物語は、この物語の続きです。
かってきたさけをちちにわたした。あさからばんまでのんで、のんで、のまれて、それでものんでいる。わすれてしまいたいことやどうしようもないさびしさにつつまれたとき、ちちはさけをのむのだろうか1)。まるで、うたのまんま。ぼくは、ちいさいころにははをなくしたが、ははがなくなってからというもの、それからだんだんとちちのいんしゅがひどくなって、いまでははたらきもせず、まいにちのんだくれている。しょーもないちちだ…。
でも、ははをなくしてから、じぎょうでもしっぱい、しゃきんでしんぞくからもみはなされ、みよりはぼくひとりしかいない。ほんと、こっちもよくあるはなしのまんま。ゆいいつ、こうこうのびじゅつでであったえをえがくこと。それだけがぼくのたのしみだった。あっ、そうだ、いたりあにいこう。もしかして、(いいよねー…いったりー)ってこだましているのは、いたりあがよんでいるのかもしれない。いたりあでほんかくてきにえをべんきょうするのもいいかも。そう、おもえた。まぶたをとじると、やっぱりねむりはじめにいつものように(いいよねー…いったりー)ってきこえる。よーし、いたりあにいこう。だれかがそこにまっている。
よくじつ、さくばんおもいたったことをじっこうした。あさいちに、じょうしにかいしゃやめますとつたえ、じひょうをていしゅつした。そうして、ちちにかきおきをのこして、ぼくはあしばやにいたりーにとびたった。
いたりーにとうちゃくすると、すんだうみ、すんだそら、なにもかもしんせんだった。
あたらしいばしょでなにかをはじめる。ふあんもありつつ、そんなふあんもかきけすようなわかげのいたりーに、ぼくにはそのとき、いたりーのかぜがふいていた。こわいものはなにもなかった。
しばらくすみこみのれすとらんでしょくをさがし、きゅうじつはぼくがえがいたえをろじょうではんばいした。もちろん、いちまいもうれない。そんなひびがつづいた。びじゅつかんにもいって、たくさんのえをみてべんきょうをした。あきらかにこうこうじだいよりも、えはじょうたつした。でも、うれない。そんなとき、ふと、にほんにのこしてきたちちはいまごろどうしているのだろうか、とおもうこともあった。あのちちのことだ。きっといまでものんだくれてるにちがいない。
もう、にほんにもどりたいきがしなかった。えはうれなくとも、ぼくはなにかからかいほうされるがごとく、よーろっぱの、いたりーのくうきになじみはじめた。そのとき、れすとらんにはたらきにきたじょせいがいた。それがエミリア(ず)だった。そして、かのじょのいたりーのはつおんが、いったりー、とときおりきこえる。もしかして、ぼくはかのじょにあうためにいたりーにきたんじゃないか…。そうおもえてならなかった。えがおのまぶしさと、そのはつおんに、ぼくはいつしかエミリアにぞっこんになっていた。
ず エミリア2)
1) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1411275864 (閲覧2020.6.29)
2) https://www.pinterest.jp/pin/342344009169267787/ (閲覧2020.6.29)
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