地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

(いいよねー…いったりー)



「宇宙コロニー( Off-world colonies )での新しい生活が貴方を待っています。チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。」 “A new life awaits you in the Off-world colonies. The chance to begin again in a golden land of opportunity and adventure.”

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題名:(いいよねー…いったりー)
報告者:ダレナン

 本物語は、この物語の続きです。

 かってきたさけをちちにわたした。あさからばんまでのんで、のんで、のまれて、それでものんでいる。わすれてしまいたいことやどうしようもないさびしさにつつまれたとき、ちちはさけをのむのだろうか1)。まるで、うたのまんま。ぼくは、ちいさいころにははをなくしたが、ははがなくなってからというもの、それからだんだんとちちのいんしゅがひどくなって、いまでははたらきもせず、まいにちのんだくれている。しょーもないちちだ…。
 でも、ははをなくしてから、じぎょうでもしっぱい、しゃきんでしんぞくからもみはなされ、みよりはぼくひとりしかいない。ほんと、こっちもよくあるはなしのまんま。ゆいいつ、こうこうのびじゅつでであったえをえがくこと。それだけがぼくのたのしみだった。あっ、そうだ、いたりあにいこう。もしかして、(いいよねー…いったりー)ってこだましているのは、いたりあがよんでいるのかもしれない。いたりあでほんかくてきにえをべんきょうするのもいいかも。そう、おもえた。まぶたをとじると、やっぱりねむりはじめにいつものように(いいよねー…いったりー)ってきこえる。よーし、いたりあにいこう。だれかがそこにまっている。

 よくじつ、さくばんおもいたったことをじっこうした。あさいちに、じょうしにかいしゃやめますとつたえ、じひょうをていしゅつした。そうして、ちちにかきおきをのこして、ぼくはあしばやにいたりーにとびたった。

 いたりーにとうちゃくすると、すんだうみ、すんだそら、なにもかもしんせんだった。
 あたらしいばしょでなにかをはじめる。ふあんもありつつ、そんなふあんもかきけすようなわかげのいたりーに、ぼくにはそのとき、いたりーのかぜがふいていた。こわいものはなにもなかった。
 しばらくすみこみのれすとらんでしょくをさがし、きゅうじつはぼくがえがいたえをろじょうではんばいした。もちろん、いちまいもうれない。そんなひびがつづいた。びじゅつかんにもいって、たくさんのえをみてべんきょうをした。あきらかにこうこうじだいよりも、えはじょうたつした。でも、うれない。そんなとき、ふと、にほんにのこしてきたちちはいまごろどうしているのだろうか、とおもうこともあった。あのちちのことだ。きっといまでものんだくれてるにちがいない。
 もう、にほんにもどりたいきがしなかった。えはうれなくとも、ぼくはなにかからかいほうされるがごとく、よーろっぱの、いたりーのくうきになじみはじめた。そのとき、れすとらんにはたらきにきたじょせいがいた。それがエミリア(ず)だった。そして、かのじょのいたりーのはつおんが、いったりー、とときおりきこえる。もしかして、ぼくはかのじょにあうためにいたりーにきたんじゃないか…。そうおもえてならなかった。えがおのまぶしさと、そのはつおんに、ぼくはいつしかエミリアにぞっこんになっていた。



ず エミリア2)

1) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1411275864 (閲覧2020.6.29)
2) https://www.pinterest.jp/pin/342344009169267787/ (閲覧2020.6.29)

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