地底たる謎の研究室

3000km深から愛をこめて

宿命的運命論

題名:宿命的運命論報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕は動き始めたベルトコンベアに、あるいはベルトコンベアが動き始めたことに、ふと人生の悲哀を重ねた。 ベルトコンベアは楕円を描いて荷物を運ぶ。その荷物が仮にDNAが入った入れ子だ…

ベルトコンベアが動き始めた

題名:ベルトコンベアが動き始めた報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 SIM交換することで、スマホ内部の僕は、外部のわたしにコネクトし、僕は僕に戻った。わたしから僕への移行時にポーランドまで旅立つ計画を実行した。そして今、飛行機を降…

存在を

題名:存在を報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。「そう、それだと機種変になっちゃう。だけど、りどる安心して。これIndiegogoでのプロトタイプの製品なんだ。だから、やっぱり躊躇しちゃう。これの正式な発売があったら、若干若干、そう若干…

ユメセカイへの同期

題名:ユメセカイへの同期報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕の左手首につけているスマウの表示がエヴァンジェリンから聞いた祖母トミヨの話で、PULSE 92から116へと変化していた。相当に緊張度を増している。ことの次第をエヴァンジェリン…

PULSE 92から116

題名:PULSE 92から116報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 エヴァンジェリン:「ミチオ、そろそろ時間だね」 僕:「そうだね、じゃぁ、行こうか。ポーランドへ」 僕はエヴァンジェリンの手を取り、二人で搭乗口まで向かった。向かっている時に…

ずっと彼女を抱きしめていた

題名:ずっと彼女を抱きしめていた報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 INCEPTIONの如く、見たけど理解できなかったその夢の発端(INCEPTION)について、エヴァンジェリンにこと細かに話した。 「ジャッカン、クリストファーはむずい、インタース…

見たけど理解できなかった

題名:見たけど理解できなかった報告者:ダレナン 本物語は、基本的にこの物語の続きです。 彼女と今を一緒に過ごすことで、僕たちは何かの交流のようにそれを感じていた。 日本での電圧は100Vだったが、ここイスタンブールの電圧は220Vあり、しかもコンセン…

何かの交流のよう

題名:何かの交流のよう報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 思い込みスピ―に支配されていた僕は、空になったグラスを見て思い切りすきーに次の2杯目を頼んだ。それはジン・トニック氏であった。彼の度数は高く、酔いやすい。こ酔いな今宵に、…

思い込みスピー

題名:思い込みスピー報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕は心の底から告ることで、プラウドフットさんはテレながら、一枚の写真を取り出した。「これ、わたしの亡くなった祖母なの。ほら、見て…。なんとなくミチオさんと雰囲気が似ているで…

スペインの血が騒いでる

題名:スペインの血が騒いでる報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 どんなにファンレター、あるいはラブレターを送ったとしても、僕がAngelina Danilovaさんに「あなたが、大大好きです。」と記述したとしても、それは結局のところ「今彼は、と…

あなたが、大大好きです。

題名:あなたが、大大好きです。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ストーリー上でエヴァンジェリン・プラウドフッドさんの存在を露わにしつつ、プラウドフッドさんが現れる10数分間に、僕は今回まで安易にAngelina Danilovaさんの画像を引用…

今回まで

題名:今回まで報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 空港内はとてもきれいだった。すべての建物が真新しく、そしてピカピカと輝いていた。空港案内でイスタンブール空港はつい最近開港されたことを知った。そのことすら全く知らず僕は、イスタ…

導かれているような気分

題名:導かれているような気分報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ”アンジェリーナさん(仮)”と愛コンタクトしていると瞬く間に時間が過ぎた。機内のアナウンスはまもなくイスタンブール空港に着くことを伝え、乗客にシートベルトの着用を促し…

よくある巷のご都合主義のにせスピリチュアル

題名:よくある巷のご都合主義のにせスピリチュアル報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 フライトが長いとやはりそこにはただならぬ面識が生じる。それは隣の人だったりするわけだが、幸い、いや幸いではないにせよ、隣の人とは何もなくこのま…

”アンジェリーナさん(仮)”

題名:”アンジェリーナさん(仮)”報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ハートビート・プレーンはときめきのプレーンであって、あこがれのプレーンでもある。しかし、一度乱気流に嵌ると奈落の底に突き落とされ、そしていずれは墜落する。僕は、A…

ハートビート・プレーン

題名:ハートビート・プレーン報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 ”なぞかけ”が変化(へんげ)していたその方は、まさしくAngelina Danilovaさんだった。陽性はこまるけど、妖精は限りなく素敵だった。「おっ、なかなかじじねただにゃん。でも、…

あの後2(V)度寝

題名:あの後2(V)度寝報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 その時、急に機内放送が流れた。「本日は、当ハートビート・プレーンをご利用くださいまして、誠にありがとうございます。当機はただいま高度3万3000フィート、約1万メートル上空を順…

世界(モンド)をセレクション(精選)

題名:世界(モンド)をセレクション(精選)報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 フライトから5時間ほど経過し、随分と疲れていたのか…。あの後2(V)度寝はそれを意味していたのか。それともその疲れは、僕の人生でいままでフライトしたことがあっ…

変化(へんげ)

題名:変化(へんげ)報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 窓の外から見える雲の祖母に向かって、(「僕はここに居る」よ)と呼びかけた。雲の顔のような部分がこちらを見たような気がした。そして、それはにっこり微笑んでいる。「ヤナチェクに…

「僕はここに居る」

題名:「僕はここに居る」報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 羽田からワルシャワまでは、途中イスタンブール空港を経て乗り継ぎがあるため、そのフライトの正味の時間は、おおよそ27時間だった。すなわち、まる一日以上は飛行機内と空港内で…

”なぞかけ(仮)”

題名:”なぞかけ(仮)”報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 SIM交換すると僕はすっかりと見違えるように自らを取り戻し、あのかつての僕の自分に時間が戻った気がしていた。父と母がこの世からいなくなった後、祖母トミヨと子ネコのリトルの存在…

わたしは僕に交換された。

題名:わたしは僕に交換された。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕は空港に向かう前に、スマホのYouTubeで日本でのSIMの最後の曲を聞いていた。それはピアニスト、ヤーヌシュ・オレイニチャクによるショパンの「Nocturne in C-Sharp Minor…

ヂャケットの

題名:ヂャケットの報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 時折、こう思う。それは、ここまで来たのは、僕でもなくわたしでもなく、いったい僕わたしは誰なんだろうか。言うなれば、先の「農協牛乳だった。」という括りで誰が喜ぶのだろうか。 タ…

農協牛乳だった。

題名:農協牛乳だった。報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕が深い眠りの中に落ちていた時、それはDeep睡眠であったが、電流スピナーはまったく揺れることなく、睡眠を妨げることなく、巡行していた。りどるもオート運転でもって見事な鼻ち…

深い眠りの中に

題名:深い眠りの中に報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 僕はスマホの内部から外部のわたしに向かって手力を発揮した。それは、間違いなく僕はMr.マリックしたとも言える状態だった。ただ果たして、この程度の手力が、そもそも手力があるのか…

僕はMr.マリックした

題名:僕はMr.マリックした報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 13という数字は機械的強制終了と同じくして、12から13へと移り変わる世相にて候。すなわち、テン、イレッブン、ツウェルブときて、さーてぃーーんとなる。それはまるでアイスクリ…

機械的強制終了

題名:機械的強制終了報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 りどるが述べる僕の脱出へのスマホの状態を聞きつつも、僕は、何故か、赤からうどんに目を凝らしていた。りどるがちゅるちゅるとノンフライ麺をうまそうに啜っていたからだろうか、い…

ちゅるちゅるとノンフライ麺

題名:ちゅるちゅるとノンフライ麺報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 答えてくれよと嘆願しても、りどるはカラオケで陽気に歌っていた。「にきょくめ、いくなにゃ~ん」とリモコンを操作して、今度はA Sky Full Of Starsを歌い始めた。そして…

ラビが呼んでいる

題名:ラビが呼んでいる報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 これからの道しるべになると言われても、僕にはどうしていいのか分からなかった。秘密倶楽部にゃんこたろう?のディスプレイにはスマホ外部の様子が映し出され、別荘にひきこもるわ…

これからの道しるべになる

題名:これからの道しるべになる報告者:ダレナン 本物語は、この物語の続きです。 (にゃおーん、ありのままの~すがたみせるのよ~) 何度も何度も連呼して頭の中に唄が響き始めた。そうだ、きっとリトルは、すがたみせるのよ~と蘇ってくるに違いない。ぼ…